2017-3-24(2017-4-1更新)

簡単な作業ならグループのほうが断然いいその理由

得意なことをしていると自信がでてきませんか。しかし苦手なことなら気が滅入りますね。同じ作業でも取り組み方を変えるだけで効率はアップするようです。

一人で作業をするときと誰かと一緒に同じ作業をするときなら、どちらの方が効率アップになるのでしょうか。

一人の作業とチームでの作業を比較すると効率がいいのは

この疑問を解決するきっかけを作ったのは、トリプレットがインディアナ大学で修士号を取るために書いた論文です。

トリプレットは自転車競技の場合なら、速さを測ったり競争をさせると20%ほどスピードが速くなることに気付き、これに疑問を持ちました。

そこで1898年、なぜこのような現象が起こるのかを知るために釣りのリールをつなぎ合わせた実験装置をつくり、子どもが一人でリールを巻くときと二人でリールを巻くときを比べて違いがでるかを調べたのです。

これは、社会心理学の実験が初めて社会的な場面で行われた実験とも言われています。

結果からわかったことは、一人でリールを巻いたときよりも二人でリールを巻いたときのほうが速いことです。ところが、この実験の結果は正しいとはされていません。

225人の参加者に対してまちまちの記録しかなく、結果に信憑性があるとはいえないのです。

その後、心理学者オルポートの研究から効率が良くなることもあれば、その反対に悪くなる場合もあることが分かりました。

つまりグループであるならば、いつも効率がよくなるとは限らないのです。

効率が良くなるのは、作業や課題が簡単であったり、それを一度は経験したことがある場合で、オルポートはこの現象を社会的促進と呼んでいます。

これに対して、作業が難しかったり困難であったり未だ経験したことがないことになるとその効率は悪くなり、この現象は社会的抑制と呼ばれています。

ビリヤードの実験

効果が良くなる現象(社会的促進)にはただ一緒にいてもらうときと一緒にそれをしてもらうときの2通りがあります。

心理学者、R・B・ザイアンスはどちらのケースも誰かがいるだけでやる気(動因)が出てくると考え、これを立証するために実験をしました。

場所はビリヤード場です。2組のペアのビリヤードのプレーを4人の研究者に近くから眺めてもらいプレーヤーの行動に変化が見られるか調べたのです。

結果は、プレーが上手なペアの成功率が71%から80%に上昇したのに対し、プレーが下手なペアは成功率が36%から25%に低下しました。

迷路の実験

また、社会的促進と社会的抑制の効果を調べるために心理学者のハントとヒラリーは簡単な迷路と複雑な迷路を使ってこれを検証しました。

簡単な迷路は各ブロックの分岐点が2つしかなく、正しい回路を選ぶ確率は平均で50%です。

これに対し、複雑な迷路は分岐点が4つに分かれていて、間違えずに回路を選ぶ確率は平均で25%です。

2つの迷路を1人とその一人プラス2人の合計3人のグループにそれぞれ10回づつおこなってもらい間違えた平均回数を調べました。

そして一人の場合と誰かと一緒に迷路ゲームをした場合の成功率を比較したのです。

結果はこのとおりになりました。

単純な迷路を一人でした場合に間違えた平均回数➡44.67回

単純な迷路を他の二人と一緒にした場合に間違えた平均回数➡36.19回

複雑な迷路を一人でした場合に間違えた平均回数➡184.91回

複雑な迷路を他の二人と一緒にした場合に間違えた平均回数➡220.33回

簡単な作業の場合ならばグループの方が成績はよくなり、難しい作業になると一人の方が成績はよくなりました。また、問題になれていない前半の方がこの傾向は著しくあらわれています。

心理学者の見解

ザイアンスはゴキブリ、ニワトリ、ラット、アリを使って上と同じような実験をしました。この結果によると、社会的促進と抑制は他の動物にもみられたそうです。

ザイアンスは社会的促進の理由を人間なら他の人間、ゴキブリなら他のゴキブリと一緒にいることが自動的にやる気(動因)を掻き立てることになるのでは推測しています。

一方で、同じく心理学者のコットレルは周りからの評価が気になる、または恥をかきたくないのでやる気がでるのではと考えていて、苦手なことが億劫になる理由も同じく恥をかきたくないことが原因では推測しています。

また、心理学者のサンダースは周りに何かがいると注意が散漫になるので、それを抑えるため生理的に興奮状態になることが動因を高める理由では考えていて、集中力を分散させるものであれば、それが人でない場合も同様の効果になると推測しています。これは「注意のコンフリクト説」と呼ばれてます。

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