2017-4-17(2017-4-18更新)

説明を繰り返していると自分を「その気」にできるわけ

嫌なことが起こったときは前向きになる説明を自分にして自己暗示をかけてみよう。

説明がつくことなら納得できても、そうではないことなら信じられないということはありませんか。

ところが繰り返してよく考えて自分なりの説明をつけた場合、たとえ根拠がないことでも本当のことのように思えてしまうのです。

Lepperの実験

「一つのことをよく考えているとそれに確信をもつ確率が高くなる」としたら信じますか。心理学者のLepperの実験から興味深いことが分かります。

1977年、Lepperは架空の人物のプロフィールを詳しく書いた文章を被験者に読んでもらいその後、3つのグループ(A,B,C)に分けて次のような指示を出したのです。

グループのAには、プロフィールの人物が自殺をする理由を考えてもらい、その訳を書いて説明してもらいました。

グループのBには、その人物が平和を守るためにお金を寄付する理由を考えてもらい、同じようにその訳を書いて説明してもらいました。

グループのCには、プロフィールを読んでもらうことの他には、とくに何かを考えてもらうことはありませんでした。

それから、「本当にその人物が自殺をする可能性があるのか」それから「寄付をする可能性があるのか」それぞれのグループに答えてもらったのです。

結果はこのとおりです。

自殺をする理由とその訳を書いて説明してもらったグループAの場合、自殺すると答えた人の確率が高くなりました。(自殺+2.33  寄付-0.84)

また、寄付をする理由とその訳を書いて説明してもらったグループ(B)の場合では、寄付をすると答えた人の確率が高くなりました。(自殺+0.17  寄付+1.14)

グループCの場合、自殺をすると答えた人の確率はAとBの中間になり、寄付をすると答えた人の確率は3つのグループの中で一番低くなりました。(自殺+0.50  寄付-1.83)

*数字が大きくなるほどその可能性が高くなることを表しています。

それぞれのグループが同じ人物のことを考えているのにもかかわらず、結果はこのように変わってくるのです。

人はよく考えてつじつまが合うように説明ができれば、起こることがないことでもその可能性を信じてしまう傾向にあります。

つまり「この人がもし自殺をするのはこの理由があるからだ」と自分が納得できる内容があると、本当にそうなるように思い込むのです。

また、寄付をする例もおなじで、寄付をする理由は頭の中の空想でしかありません。それでも納得できれば信じる傾向にあります。

よく考えると自己暗示がかかるのです。

繰り返して考える効果とは?

この実験でわかる心理的な効果は利用価値が高いといえます。

たとえば失敗をしてしまったときなら使えるはずです。何か悪い出来事が起こっても、良い方向に考えればいいのです。

よく考えて理にかなった裏付けを用意して自分に繰り返して説明をしてみて下さい。

上手くできない場合はこう考えてみるといいです。

たとえば、自分が抱える問題を誰かが抱えている場合、どのようにその解決策を説明するだろうか。相手が納得するように説明できれば、自分自信を納得させることにもなります。

困ったことが起こったら、「それほど気にすることではない!」「次は大丈夫!」「同じことが起こる保障なんてどこにもない!」と自分が納得できる理由を見つけて自己暗示をかけてみては如何でしょう。

また何かを繰り返して考慮するならば、ネガティブになることよりもポジティブになることのほうがずっと得策ですね。

参考文献 著斎藤勇 対人社会心理学重要研究集 誠信書房

自分でうつを治す方法