2017-4-6(2017-4-17更新)

セルフモニタリングの能力が高い人と低い人の大きな違いとは?

鏡を見ると外見はもちろんのこと心のチェックもできるのです。

セルフモニタリングの能力が髙い人と低い人では選ぶ友達にも違いがでてくるようです。心理学者のSnyderの実験から面白いことがわかりました。

セルフモニタリング

セリフモニタリングの能力が高い人は、一緒にいるひとの選び方にも特徴があります。

セリフモニタリングとは、その場において行動が適切かどうか自分の行動を統制する傾向のことをいいます。

そしてセリフモニタリングの能力が高い人と低い人では行動パターンにも違いがあり、友人の質も変わってくるようです。

セルフモニタリングの能力の高い人は、周りの状況や期待に応じて自分の行動を変容させる傾向が強い人(臨機応変型)のことです。また、客観的に自分を見つめる能力が高いとも言えます。

セルフモニタリングの能力の低い人は、周りには影響されずにいつも自分らしい対応をしようとする傾向が強い人のことです。

では、この能力の高い人と低い人ではどのように行動が異なるのでしょう。

Snyderの実験

Snyder(1983)は「普段から自分を客観的にとらえてその場に応じて行動する人とそうではない人には、選ぶ友人にも違いがあるのでは」と考え実験をおこない検証しました。

始めにセリフモニタリングのテストをして、この傾向が高いグループと低いグループに人をわけ、そして、一人一人に誰と行動するのがより望ましいか答えてもらいました。

すると、セリフモニタリングの高い人と低い人では置かれた状況に応じて、一緒にいる人(いたい人)に違いが見られたのです。

セリフモニタリングの高い人が一緒にいる友達を選ぶ場合、好きな人を選ぶ確率が20%なのに対し、自分よりも優れている人を選ぶ傾向は80%になりました。

ところがセリフモニタリングが低い人の場合、快適性を重視する人のほうが67%になるのに対し、自分よりも優れている人を選ぶ傾向は33%に留まったのです。

つまり、セリフモニタリングの高い人が誰かと一緒に行動するときは、自分を磨くためあえて優れた人を選んでいることになります。

そして、自分を高めてくれる相手をいつも求める傾向がつよいということは、向上心が髙いともとれるはずです。

また自分を客観的にみつめる能力が高いので、行動や考え方を簡単に変えることができるともいえます。

一方、セリフモニタリングが低すぎると対人関係がうまくいかなくなり対人恐怖症やうつ病になることもあるようです。

もしセリフモニタリングの診断に興味がある方はこちらからチェックをしてみて下さい。

それから鏡を見ていると自分を客観的に見つめることにもなるそうです。鏡が心理的にどのような効果をもたらすのか実験が行われ検証されました。

鏡の効果

自分の姿を鏡でみるときなら、どんなことをチェックするでしょうか。鏡の用途はいろいろありますが、ふつうは外見のチェックで利用していますね。

でも鏡には他の使い方もあり、自分の姿をみているとより客観的になるのです。

行動や気持ちの持ち方にも変化が現れることは、こちらの実験で証明されました。

さあ、どのような変化が見られるのでしょうか。

Scheierの実験

1974年、心理学者のScheierは「自分の姿が鏡に映っているときとそうでないときでは人の行動に変化が現れるのでは?」と考え実験をして検証しました。

方法は次のとおりです。

男子学生40名と女子学生40名を集めて、男子学生には教師役になってもらいその一方で女子学生には生徒役になってもらいます。

それから教師役と生徒役を一対一にして、教師役の男子学生から生徒役の女子学生に問題を出題させて、女子学生に答えてもらうという方法です。

実験をおこなうにあたり、Scheierは全部の質問(35問)の答えをわざと間違えるように生徒役(女子学生)に指示をしました。

つまり、女子学生は全員がさくらです。

一方、男子学生には次のような説明がされて答えを誤った女子学生に電気ショックの罰をあたえるように指示をしました。

(説明の内容)

「電気ショックの強さは10段にわかれていて数字が大きくなるほどそのショックは強くなります。ショックを与えるときは、その強さを自由に選んでボタンを押して下さい。」

実験の場所に用意されたのは、鏡のある部屋とない部屋で鏡以外の環境はすべて同じです。

鏡のある部屋では、教師役の男子生徒は鏡にうつる自分の姿をみることが出来るように設定されています。

それぞれの部屋で同じように35問の質問が出題されました。

結果をみてみると、

鏡のある部屋では、与えたショックの平均値は1.7のレベルになりました。ところが鏡のない部屋では、与えたショックの平均値は2.5のレベルになりました。

自分の姿がみえる部屋での実験は、その姿がみえない部屋での実験にくらべ与えるショックが弱くなるのです。

そうです。鏡にうつる自分をみていると良心が働いて、相手が苦痛を感じることは抑制するようになります。

相手が嫌がることはしないとなる訳ですから、自分をより客観的に見つめているともとれませんか。

Scheierの見解によると、人は自分の姿を見ているときにはより高い自己意識をもつので心理的にも道徳的になるそうです。

意識的に鏡をみる回数を増やしてみては如何でしょうか。

引用・参考文献:Journal of Experimental Social Psychology Volume 10, Issue 3, May 1974, Pages 264–273

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