2015-12-25(2017-2-23更新)

「死にたい」「何もしたくない」無気力から抜け出す方法その1

落ちこんでいるとき、「何もしたくない」と思った経験はありませんか?

……でも、その「何もしたくない」気持ちが続くと、ますます自信がなくなって(自己嫌悪⇔自暴自棄)、さらに一層「何もしたくない」気持ちになるものです。
これが、無気力のサイクルです。stress

これまでの仮説は間違っていた……?

無気力のサイクルから抜けだせなくなると、最後には何もできなくなります。

これまでさまざまな識者がこの無気力のサイクルの原因を解明しようとしましたが、アメリカの認知心理学者デビッド・D・バーンズはこれまでの仮説を否定しました。

ここで精神医学の理論を代表する4つの仮説に対するバーンズ博士の反論を紹介します。

【間違った仮説1】人間の本質、それはなまけ者だった?

「この仮説は人間の本質という曖昧なものに根拠のないレッテル貼りをしています。私たちが自分に「なまけ者」というレッテルを貼ることは無意味で、有害とさえ言えます。(中略)また、「なまけ者」だということが、人間の生まれつきの性質の一部だとあやまった印象を与えています。これには科学的根拠はありません。」

デビッド・D・バーンズ『新しい認知療法の紹介 嫌な気分をさようなら』より

【間違った仮説2】落ちこんでいる人は自分を傷つけたい。

stop-depression

「この仮説は、自分を傷つけることを落ちこんでいる人が望んでいるということです。これは精神療法家にかなりの支持を受けている理論です。しかし、こんなばかばかしい仮説はありません。(中略)あなたがもし、落ちこむのを好む人がいるのでは、と思うなら自分が落ちこんだ時のことを思いだしてください。(中略)私はこれまで、本当に惨めさを楽しんでいる患者に会ったことはありません。」

デビッド・D・バーンズ『新しい認知療法の紹介 嫌な気分をさようなら』より

【間違った仮説3】落ちこんでいる人は周りをイライラさせたい。

「この仮説で見逃されているのは、本当に落ちこんでいる人は怒りなど感じていない点です。周りが落ちこんでいる人の無気力さにイライラしたとしても、それを期待しているとか楽しんでいるというわけではありません。実際にはそれを恐れています。この仮説は侮辱であり事実ではありません。」

デビッド・D・バーンズ『新しい認知療法の紹介 嫌な気分をさようなら』より

【間違った仮説4】あなたは落ちこんで無気力になると何らかの報酬を得る。(例:周囲の関心を集めるなど)

「報酬を得るという考え方は近年の行動科学的な精神医学の代表的な考え方です。この考え方は一理あります。しかし、落ちこんだり、何もできなくなってしまったとき、人の助けを喜んで受けとることは稀(まれ)です。」

デビッド・D・バーンズ『新しい認知療法の紹介 嫌な気分をさようなら』より

典型的な無気力になってしまう状態

あらためて、もう少しくわしく典型的な無気力になってしまう状態を見てみましょう。この症状があるなら、きっと当てはまることがあるはずです。

自己破壊的な考え方になると
・落ちこみます。
・絶望を感じます。
・何をするのも無意味だと思うようになります。
・自分には能力がないと感じます。
・やる気は起きません。
・失敗ばかり考えます。
・何をするのも難しいと感じます。

この考え方になると行動パターンは次の通りになります。

自己破壊的な感情 自己破壊的な行動
疲れ、無気力、自己嫌悪、自己否定、自己卑下、落胆、罪悪感、絶望感、圧倒されたなど 自信につながる行動をさける。ひどくなると人を避けるようになり、引きこもりになる。

この感情や行動パターンは日常的に繰り返されて最後には抜け出せなくなるのです。

無気力サイクルの結末
周りから孤立してしまう。敗北者だと強く確信をもってしまう。活動ができなくなるので、自分はダメだと思いこむ。まったく動けなくなるほど深く沈みこむ。これが永遠に続く。

 

無気力になってしまう状況

psychologist

無気力になってしまう状況はさまざまです。もしも、やる気がでないとか気力がないなら、当てはまることがないかチェックしてみましょう。

1.絶望

絶望を感じると、過去の楽しい思い出も幸せだったことも思いだせなくなります。また、将来にたいして明るい未来のイメージはわきません。さらに嫌なことしか起こることはないと感じてしまうのです。

2.無力感

たとえば、運命、他人からの影響、体内で分泌されるホルモンなどの「外的要因」が気分を決定すると考えるなら、あなたの気持ちはいつも外部のものによって左右されることになります。これは心が自分のコントロール外にあると判断しているのです。

3.圧倒されること

question-mark例えば、仕事を一気に広げて手が負えない状態を作ってしまったり、一度に何もかも自分だけでしなくてはならないと考えたりするとしましょう。こうなると一種のパニック状態に陥り、結局何もできないという状態をつくりだしてしまうのです。

4.早合点

どんなことでも悲観的に早合点する癖があるとします。「それは出来ない」とか「でも」と自動的に考えるのです。まだ取りかかっていないことでも自ら壁を作って、自分が納得できる行動は何一つできないと思いこんでしまい、物事を悪い方向でしか捉えません。

5.レッテル貼り

意味もなく自分にレッテルを貼ることもあります。「ダメな人間だ」とか「なまけ者だ」のように自分を責めて心を追い込んでいきます。最後には自分に対してまったく期待を持てなくなります。

6.自分に対して正しい価値を感じない

一生懸命努力したこと、あるいは何かうまくいったことでも「そんなことは大したことじゃない」とかあるいは「取るに足らないこと」と考えてしまうと何をやっても満足はできません。また、自分の価値を認めることも出来なくなります。

7.完全主義

完璧を求めると、何をやっても満足できません。極端な完璧主義は何もできなくなるという結果を招きます。さらに、完全性を追い求めるので、何かを成し遂げたとしても喜びを感じることはありません。

8.失敗への恐れ

努力してもうまくいかないと、人格まで否定されると思いこんでいるので、何かに挑戦することが苦痛になっています。

9.成功への恐れ

自信がないと何もかもが「まぐれだ」と感じてしまいます。これは失敗への恐れより危険な状況です。それは、成功すると失望や拒絶や自己卑下が一層強まるからです。また、それが続くなら、いつかは絶壁から突き落とされると思うので、始めから手を出さないほうがいいと考えます。

10.非難や批判への恐れ

何かに挑戦すると、ささいな失敗や間違いでも強く非難されると考えます。周囲に拒絶されると思ってしまうと、出来るだけ行動を起こさないように考えます。

11.プレッシャーと反発

panic強烈なプレッシャーを感じるときがあります。周りからのプレッシャーであったり、自分で課す場合もあります。これが強すぎると耐えられないと感じます。そうなると結局なにもできなくなるのです。

12.フラストレーションがすぐに溜まってしまう

問題が解決しない、または物事がうまくいかないと恨みをもってしまい、結局何でも諦めてしまいます。これは現実を頭の中の理想と比較してしまうことで起こっています。フラストレーションが起こるのは、理想と現実が一致しないからです。これが頻繁に起こると、何もしたくないという結果を招くことになります。

13.罪と自責の念に悩む

自責の念が強すぎると自然と生活を続けていく気力がなくなってしまいます。これは自分を追いつめるからです。また、他人の責任でも自分の責任と考えてしまうなら、さらに自分を追いこんで結局何もできなくなります。


いかがでしたか。これはバーンズ博士が分析した無気力になってしまう考え方です。この考え方、実はとても偏っています。なぜなら、現状をますます悪化させているからです。

この13の状況を打破する為には、思い込んでいることを変えなくてはいけません。潜在意識の中に組み込まれている考え方が変わると、自動的に自己破壊的な気持ちは消えるのです。

単に、考え方を変えるとはいっても、うまく気持ちを切り替えたり思い込んでいることを変えるのは簡単なことではありません。そこで、自然に考え方を変えるための方法(認知行動療法)を利用してみましょう。

次回は、自然に思い込んでいることを変えて、気持ちを切り替える方法をご紹介します。

自分でうつを治す方法