2015-12-25(2017-3-1更新)

「死にたい」「何もしたくない」無気力から抜け出す方法その1

落ちこんでしまって「何もしたくない」と思った経験はありませんか?

……でも、その「何もしたくない」気持ちが続くと、ますます自信がなくなって(自己嫌悪⇔自暴自棄)、さらにその気持ちは強くなります。

これは、無気力のサイクルといわれている症状です。stress

これまでの仮説は間違っていた……?

無気力のサイクルから抜けだせなくなると、大変なことになります。

放っておくと、最後には何もできなくなるからです。

なぜ、そうなってしまうのでしょうか。

これまでさまざまな識者がこの無気力のサイクルの原因を解明しようとしました。

この症状についていままで立てられていた仮説は、怠け者であるとか、自分を傷つけたいとか、周りをイライラさせたいなど、本当にひどいものです。

ですがアメリカの認知心理学者デビッド・D・バーンズはその仮説を真っ向から否定しているのです。

精神医学の理論を代表する4つの仮説に対するバーンズ博士の反論を見てみましょう。

【間違った仮説1】人間の本質、それはなまけ者だった?

「この仮説は人間の本質という曖昧なものに根拠のないレッテル貼りをしています。私たちが自分に「なまけ者」というレッテルを貼ることは無意味で、有害とさえ言えます。(中略)また、「なまけ者」だということが、人間の生まれつきの性質の一部だとあやまった印象を与えています。これには科学的根拠はありません。」

デビッド・D・バーンズ『新しい認知療法の紹介 嫌な気分をさようなら』より

【間違った仮説2】落ちこんでいる人は自分を傷つけたい。

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「この仮説は、自分を傷つけることを落ちこんでいる人が望んでいるということです。これは精神療法家にかなりの支持を受けている理論です。しかし、こんなばかばかしい仮説はありません。(中略)あなたがもし、落ちこむのを好む人がいるのでは、と思うなら自分が落ちこんだ時のことを思いだしてください。(中略)私はこれまで、本当に惨めさを楽しんでいる患者に会ったことはありません。」

デビッド・D・バーンズ『新しい認知療法の紹介 嫌な気分をさようなら』より

【間違った仮説3】落ちこんでいる人は周りをイライラさせたい。

「この仮説で見逃されているのは、本当に落ちこんでいる人は怒りなど感じていない点です。周りが落ちこんでいる人の無気力さにイライラしたとしても、それを期待しているとか楽しんでいるというわけではありません。実際にはそれを恐れています。この仮説は侮辱であり事実ではありません。」

デビッド・D・バーンズ『新しい認知療法の紹介 嫌な気分をさようなら』より

【間違った仮説4】落ちこんで無気力になると何らかの報酬を得ると考えている。(例:周囲の関心を集めるなど)

「報酬を得るという考え方は近年の行動科学的な精神医学の代表的な考え方です。この考え方は一理あります。しかし、落ちこんだり、何もできなくなってしまったとき、人の助けを喜んで受けとることは稀(まれ)です。」

デビッド・D・バーンズ『新しい認知療法の紹介 嫌な気分をさようなら』より

無気力になってしまう典型的な状態

あらためて、もう少しくわしく典型的な無気力になってしまう状態を見てみましょう。きっと当てはまることがあるはずです。

自己破壊的な考え方になると
・落ちこみます。
・絶望を感じます。
・何をするのも無意味だと思うようになります。
・自分には能力がないと感じます。
・やる気は起きません。
・失敗ばかり考えます。
・何をするのも難しいと感じます。

この考え方になると行動のパターンが次のようになります。

自己破壊的な感情 自己破壊的な行動
疲れ、無気力、自己嫌悪、自己否定、自己卑下、落胆、罪悪感、絶望感、圧倒されたなど 自信につながる行動をさける。ひどくなると人を避けるようになり、引きこもりになる。

また、この感情と行動パターンは連鎖していて繰り返されるので最後には抜け出せなくなるのです。

無気力サイクルの結末
周りから孤立してしまう。敗北者だと強く確信をもってしまう。活動ができなくなるので、自分はダメだと思いこむ。まったく動けなくなるほど深く沈みこむ。これが無限に続く。

 

無気力になってしまう状況

psychologist

無気力になってしまう状況はさまざまです。もしも、やる気がでないとか気力がないなら、当てはまることがないかチェックしてみましょう。

1.絶望感

絶望を感じると、過去の楽しい思い出も幸せだったことも思いだせなくなります。

また、将来にたいして明るいイメージはわいてはきません。さらに嫌なことしか起こることはないと感じてしまいます。

2.無力感

たとえば、運命、他人からの影響、体内で分泌されるホルモンなど「外的要因」が気分を決定すると考えるなら、あなたの気持ちはいつも外部の何かによって左右されることになります。

心が自分のコントロールの外にあるように思いこんでしまいます。

3.圧倒されること

question-mark例えば、仕事を一気に広げて手が負えない状態を作ってしまったり、一度に何もかも自分だけでしなくてはならないと考えたりするとしましょう。

こうなると一種のパニック状態に陥り、結局何もできないという状態をつくりだしてしまいます。

4.早合点

どんなことでも悲観的に早合点する癖があるとしましょう。「それは出来ない」とか「でも」と自動的に考えてしまうのです。

まだ取りかかっていないことでも自ら壁を作って、自分が納得できる行動は何一つできないと思いこんでしまい、物事を悪い方向で捉えるようになります。

5.レッテル貼り

意味もなく自分にレッテルを貼ることもあります。「ダメな人間だ」とか「なまけ者だ」のように自分を責めて心を追い込んでいきます。

最後には自分に対してまったく期待を持てなくなります。

6.自分を正しく評価できない

一生懸命努力したこと、あるいは何かうまくいったことでも「そんなことは大したことじゃない」とかあるいは「取るに足らないこと」と考えてしまうと何をやっても満足はできません。

また、自分の価値を認めることもしまいには出来なくなります。

7.完全主義

完璧を求めると、何をやっても満足できません。極端な完璧主義は何もできなくなるという結果を招きます。

さらに、完全性を追い求めるので、何かを成し遂げたとしても喜びを感じることはありません。

8.失敗への恐れ

努力してもうまくいかないと、人格まで否定されると思いこんでしまうのです。こうなると何かに挑戦することが苦痛になります。

9.成功への恐れ

自信がないと何もかもが「まぐれだ」と感じてしまいます。これは失敗への恐れより危険な状況です。

なぜなら、成功すると失望や拒絶や自己卑下が一層強まるからです。

また、それが続くなら、いつかは絶壁から突き落とされると思うので、始めから手を出さないほうがいいと判断してしまうのです。

10.非難や批判への恐れ

何かに挑戦すると、ささいな失敗や間違いでも強く非難されると考えます。

周囲に拒絶されると思ってしまうと、出来るだけ行動を起こさないようになります。

11.プレッシャーと反発

panic強烈なプレッシャーを感じたり、それに苛まされているとしましょう。周りからのプレッシャーであったり、自分で課す場合もあります。

これが強すぎると耐えられないと感じます。そうなると結局なにもできなくなります。

12.フラストレーションがすぐに溜まってしまう

問題が解決しない、または物事がうまくいかないと恨みをもってしまい、結局何でも諦めてしまいます。

これは現実を頭の中の理想と比較してしまうので起こっています。

フラストレーションが起こるのは、理想と現実が一致しないからです。これが頻繁に起こると、何もしたくないという結果を招くことになります。

13.罪と自責の念に悩む

自責の念が強すぎると自然と生活を続けていく気力がなくなってしまいます。これは自分を追いつめるからです。

また、他人の責任でも自分の責任と考えてしまうなら、さらに自分を追いこんで結局何もできなくなります。


いかがでしたか。

これはバーンズ博士が分析した無気力になってしまう考え方です。

この考え方、実はとても偏っています。それは、現状をますます悪化させているからです。

そして、この13の状況は考え方を変えると打破できるのです。

実証されている方法なので是非ためしてみましょう。

考え方を自動的にかえる方法、それは認知行動療法と呼ばれている方法です。

潜在意識の中に組み込まれている考え方を自然にかえて、自己破壊的な気持ちを解消する方法です。

単に、考え方を変えるとはいっても、自分の力で気持ちを切り替えるのはやはり簡単なことではありません。

これにはやり方があります。その方法さえ知ってしまえば、自動的に気持ちは切り替わっていくのです。

次回は、自己破壊的な気持、自己嫌悪、無気力を解消する、気持ちの切り替え方をご紹介します。

自分でうつを治す方法