2015-12-23(2016-1-10更新)

「ああ、もう完全にダメです。。。。」 こう思ったら、知っておくこと

うつになってしまう考え方には10種類のパターンがあります。デビッド・D・バーンズ博士は長い間の研究と臨床試験の結果から、うつの原因がこの中のどれかに必ず該当すると確信しています。うつになってしまう考え方の紹介です。

  1. 全か無か思考(all- or- nothing thinking)
  2. 一般化のしすぎ(over generalization)
  3. 心のフィルター(mental filter)
  4. マイナス化思考(disqualifying Positive)
  5. 結論の飛躍(jumping to conclusions)
  6. 拡大解釈と過小評価(magnification and minimization)
  7. 感情的決めつけ (emotional reasoning)
  8. すべき思考 (should statements)
  9. レッテル張り (labeling and mislabeling)
  10. 個人化 (personalization)

この記事は実話をもとにしてはいますが、デビッド博士のうつになる考え方を紹介するのに作られたフィクションです。

1.全か無か思考(all- or- nothing thinking)

ポール(30)は普通のサラリーマンをしている。
ある日、うつ病を患って、診療所にきた。

「先生、私は人生の完全な敗北者です。」
「完全なばかです。」

「毎日、取り返しのつかないミスをします。」
「わたしは失敗者で価値のない人間です。」
「ああ、もう完全にだめなんです。。。。。。」

これは物事を極端に白か黒で考えてしまう考え方です。「成功」か「失敗」、「ばか」か「利口」、「勝ち」か「負け」と言うように、その中間がない考え方です。例えば、ちょっとしたミスでも取り返しのつかないような完全な失敗のように考えてしまいます。

この考え方の土台には完璧主義があります。世の中に完全というものはありません。このように考えてしまうと、例えば、取るに足りない失敗や競争相手に負けた時など、それが恐ろしくなってしまい、自信を失ってしまいます。

2.一般化のしすぎ(over generalization)

ラリー(52)毎日、車で通勤している。
事故歴なし。

ある日、運転中に突然何かが飛び出してきた。
急ブレーキをかける。

間に合わなかった。
「ドン!」と音がした。

車の外に出で見ると、ピクリともしない猫が転がっていた。

座席に戻り、ハンドルを握る。
嫌な気分になった。

翌日、いつものように出勤

ラリーは、また、猫を引いてしまうと考え込た。

その翌日、ラリーは思った。

「おれが運転すると、必ずネコが飛び出してくる。」

運転が恐怖にかわっていった。

ラリーは何十年も通勤に車を使っています。これまで、ネコをひいたことなど一度もありません。しかし、この出来事以来、その後の人生で同じことが繰り返されると考えてしまいます。これが「一般化のしすぎ」です。

「拒絶」を恐れる心理もこの「一般化のしすぎ」からきています。あなたにとって大切な誰かに何かを拒絶されたとき、それが全ての物事に適応されるように感じるのはこの考え方があるからです。

3.心のフィルター(mental filter)

アン(26)長い間うつ病で苦しんでいる。引きこもり歴8年

「人生なんてつまらないものだ」
「人間は残虐だ」
「世の中にいいことなんてありえない」

彼女は繰り返して同じことを考えます。

うつになると、意識的に明るいことや元気が出ることが思いつかなくなります。考えることが何もかもネガティブになります。この感情がまたネガティブな感情を作ります。専門用語ではこれを「選択的抽象化」と呼んでいます。これは意味のない苦痛を引き起こす習慣です。

4.マイナス化思考(disqualifying Positive)

うつ病で一番始末の悪い錯覚です。これは何でもないことや良い出来事を悪い出来事にすり替えてしまうことです。

例えば、あなたはそこそこの美人で、誰かがそれを褒めてくれたとします。しかし、さっぱり嬉しいと感じません。「嬉しい」と感じるどころか、それを疑ってしまいます。こうなると「嬉しい」とか「楽しい」のような感情を自動的に拒否していることになります。

また、何度も挑戦してきた試験に今回も失敗してしまったとします。仮にこうなら、あなたは「やっぱりダメなんだ」と考えるでしょうし、もし上手くいっても、「これはまぐれだ」と考えます。これは悲惨な考え方です。

5.結論の飛躍(jumping to conclusions)

これは、事実と違った結論が自動的に飛び出してしまうことです。これには「心の読み過ぎ」と「先読みのあやまり」があります。

心の読み過ぎ(mind reading)

誰かがあなたを見下していると思い込んでしまうと、それを確かめようともしなくなります。場合によっては、それが事実かもしれません。しかし、相手の状況が今一わからず、独りよがりで自分の考えに確信をもってしまうことがあります。

先読みの誤り(the future teller error)

予測が付かない、若しくは非現実的なことが実際に必ず起こると思い込んでしまうことです。それが起こるかどうか合理的に説明がつかなくても、悲観的に結論づけてしまう考え方です。

6.拡大解釈と過小評価(magnification and minimization)

例えば、失敗、挫折、ミス、恐れを必要以上に大きく考えて、自分の良い点、自信につながる点、自分が嬉しいと感じることをたいしたことではないと考えるなら、惨めな気持ちになります。

7.感情的決めつけ(emotional reasoning)

これは、自分の感じる事が事実を証明する証拠のように考えてしまうことです。例えば、「わたしはどうしようもない人間だ」とか「何の能力もない」などど考えているとします。

この感情はうつ病のほとんどすべての症状に関係しています。マイナス面ばかり感じて、事態がマイナスにしか進まないように思い込んでしまいます。

感情的決めつけが起こると、決断するのに時間が係ります。

8.すべき思考(should statements)

「~するべき」「~しなくてはならない」と必要以上に自分を追い込む考え方です。この考え方が極端な場合、最終的にやる気がなくなるという結果になります。

また、これを他人に向けてしまうとフラストレーションを感じて、人間関係にトラブルが生じやすくなります。人が許せないと感じるようにもなります。

9.レッテル貼り(labeling and mislabeling)

自分にレッテルを貼って、完全にダメな自分をイメージしてしまうことです。極端な形の一般化のしすぎです。この考え方に陥ると自己破壊的になります。またこれは、合理的な考え方ではありません。

10.個人化(personalization)

これは何でも自分の責任にしてしまう考え方です。

自分に責任がないことでも自分に非があるように考えてしまい罪の意識に苦しむ考え方です。

あなたの考え方に該当する考えはありましたか。思い当たるなら、認知行動療法を行って、考え方を修正しましょう。認知行動療法の種類は豊富です。自分に合った方法を見つけて、今すぐに快適な生活を取り戻しましょう。

参照 新しい認知療法の紹介 「嫌な気分よ さようなら」
著 デビッド・D・バーンズ

自分でうつを治す方法